遅発性ジスキネジアはどのような検査を行いますか?
診断の流れ 1、2)
遅発性ジスキネジアは、患者さんの症状や精神疾患の治療歴、体の各部位の動き方などから、総合的に診断します。
まず、内服している抗精神病薬の種類や服用期間などを確認します。そして、体のどの部位に、どのような不随意運動がみられるか、例えば口や顔、手足などに特徴的な症状があるかなどについて確認し、同じような症状がみられる他の病気を除外(鑑別診断)した上で、診断します。
なお、診断では、遅発性ジスキネジアに似た症状が起こっているのかどうかも見分けます。似た症状には、加齢による口周辺の不随意運動や、精神疾患による症状、他の病気や障害などによる症状などがあります。
遅発性ジスキネジア診断の手順
内服薬の確認
不随意運動の観察
鑑別診断
診察前・診察中の身体検査 2、3)
正しく診断するために、担当の先生は、以下のイラストに示すような検査を行うことがあります。
診察前
診察前に、ガムなどの食べ物は口から出しておきましょう。
ひじかけのない椅子に座ります。
診察中
① 口や舌の動きを調べます。
⼝を開けた状態や、⾆を突き出した状態を保ちます。
② 次のことをしているとき、体の部位がどのような動きをしているかなどを調べます。
(1)指のタッピング
それぞれの指を素早く親指にタッピングします。
(2)数字を大きいほうから小さいほうへカウント
(3)手を上げる
手のひらを上にして両腕を水平に上げます。
【参考資料】
- 厚生労働省. 重篤副作用疾患別対応マニュアル(ジスキネジア)平成21年5月(令和4年2月改訂)
- 渡辺昌祐, 他 編著. 遅発性ジスキネジアの臨床. p67-75, 新興医学出版社, 1991.
- Citrome L. J Neurol Sci. 2017; 383: 199-204.
利益相反:著者には、ヤンセンファーマ株式会社との共同研究に携わった者、及び同社から顧問料又は講演料を受けた者が含まれる。