患者さんの声
遅発性ジスキネジアの症状に気づいたきっかけ

遅発性ジスキネジアを発症された患者さんに、
症状に気づいたきっかけについて、お話をうかがいました。

監修 : 桶狭間病院 藤田こころケアセンター 病院長 藤田 潔先生

体の動きに気づいたきっかけは
どのようなものだったのでしょうか?

原疾患:双極性障害1型

Aさん
(50代・女性)

顔を洗っているときに、舌が動いていることに気づいた

お風呂で顔を洗っているときに頬に触れて、舌が動いていることに自分で気づきました。それから意識するようになり、ごはんを食べているときやテレビを見ているとき、なにかに集中しているときなどに、舌が動いていることがわかりました。

「手がぶるぶるしてるよ!」と言われたことも

口の症状よりも先に、手が震えてしまう症状があり、それにも気づいていました。小さな子どもに「手がぶるぶるしてるよ!」と言われたこともあります。

原疾患:統合失調症

Bさん
(50代・女性)

夫から、歩き方がいつもと違うよ、と
言われて意識するようになった

散歩のときに夫から、歩き方がなんだかおかしいよと言われて……。その少し前に足を骨折していて、骨折が治ったあともつまずいたり転びやすくなっていたので、それが原因なのかなと考えていました。でも、ショーウィンドウに映った自分の歩き方を見て、夫が言うように、よちよち歩きのような、足を引きずるような歩き方をしていたので、骨折によるものではないと気づきました。

手の震えや口元の動きも

同じ時期に、手の震えや、口元がヒクヒク動く症状も出てきました。手の震えは手を見たときに、口元のヒクヒクした動きは鏡を見たときに、ともに自分で気づきました。どちらも四六時中動いているので、自分の体がまるで自分でなくなったようでした。

原疾患:うつ病

Cさん
(70代・女性)

かねてよりの違和感を、娘から指摘されて

自分でも違和感はあったのですが、娘から「お母さんの口が不自然に動いて、ぺちゃぺちゃ音がしてるよ」と指摘され、そのとき初めて自分の状態を意識しました。

解説

藤⽥潔先⽣の写真

まずは主治医に相談しましょう

藤⽥ 潔 先⽣

桶狭間病院 藤⽥こころケアセンター 病院⻑

⾷事や散歩、なにげない会話などの動作が以前よりもやりにくい、なんだかおかしいと感じたら、それは遅発性ジスキネジアのサインかもしれません。Aさんのようにご⾃⾝で気づく⽅だけでなく、Bさん・Cさんのように、ご家族から指摘されて初めて気づく⽅もいらっしゃいます。⽇常動作の違和感に気づいたら、まずは主治医に相談を。原疾患の治療と併せて、不随意運動への対応についても話し合っていきましょう。