患者さんの声
遅発性ジスキネジアの症状による、
日常生活での困りごと

遅発性ジスキネジアを発症された患者さんに、
日常生活での困りごとについて、お話をうかがいました。

監修 : 桶狭間病院 藤田こころケアセンター 病院長 藤田 潔先生

意識しても止められない体の動き。
日常生活での困りごとはありましたか?

原疾患:双極性障害1型

Aさん
(50代・女性)

口元の動きと手の震えで、食事や文字を書くのも困難に

ああ、ありましたね。口元がもごもごするので、飲み物を飲むとき、最後の方が飲みにくいんですよ。あごを上げづらいし、飲み込みにくい感じで。ほかには、お茶碗や湯呑みを持つと手が震えたり、字を書くのも大変でしたね。

原疾患:統合失調症

Bさん
(50代・女性)

足の震えで外出もできない状態に

足を引きずって歩くようになってから、転んでしまったこともあったので……。夫に指摘されて気づいてからは、転ばないように気を張っていました。さらに足の震えが出始めてからは歩けなくなって、外にも出られない状態になっていました。

原疾患:うつ病

Cさん
(70代・女性)

ストレスとともに症状が強くなる

ストレスを感じたときに、ぺちゃぺちゃと音のする口元の動きが強くなる感じがありましたね。あと、困ったこととしては、食事のときにスプーンを持つ手が震えたことですね。こう、上下に揺れるような感じで……。

原疾患:統合失調症

Dさん
(50代・男性)

口が勝手に動き息ができなくなって、救急車を呼ぼうとしたことも

口が勝手に動いて、声が出てしまうんだ。喉がひきつるような、「うっ」という声が。息がしづらくて、救急車を呼ぼうとしたことがあるよ。一日中ずっと口が動いて声が出るときもあって、とてもつらくて。ここ数日は落ち着いているから、こうやって話すことができるけど、もっと激しく動くこともあるね。

日によっては、症状のせいで寝付けない

朝起きて10分くらいはいいんだけど、そのうちまた口が勝手に動きはじめるんだ。寝るときが一番強く症状が出て、なかなか眠れないこともある。その日の症状によって、うまく眠れるときと、なかなか寝付けないときがあるね。

解説

藤⽥潔先⽣の写真

「もしかしたら」と感じたら、早めに相談を

藤⽥ 潔 先⽣

桶狭間病院 藤⽥こころケアセンター 病院⻑

遅発性ジスキネジアでは、初めはわずかな症状でも、次第に症状が強くなり、⽇常の動作を妨げてしまうことがあります。また、息苦しさを伴う呼吸性ジスキネジアや、⾷べ物が飲み込みにくくなる⾷道ジスキネジアなど、⾒た⽬だけではわかりにくい症状もあります。これらの症状に対応するためにも、「遅発性ジスキネジアかもしれない」と感じたら、早めに医師に相談することが⼤切です。